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和室の畳、虫対策と正しいお手入れ
日本の伝統的な住空間である和室。その中心にある畳は、い草の香りが心地よく、私たちの心を和ませてくれますが、その一方で、ダニやシバンムシといった害虫の温床となりやすい、デリケートな存在でもあります。大切な畳を、ゴマみたいな虫の被害から守り、長く快適に使い続けるためには、日頃からの正しいお手入れが欠かせません。畳の虫対策の基本は、「掃除」と「換気」、そして「湿気対策」です。まず、掃除は、畳の目に沿って、ゆっくりと、丁寧に掃除機をかけるのが基本です。畳の目の中に入り込んだ、ホコリや、髪の毛、食べかすは、すべて虫の餌となります。一畳あたり、1分程度の時間をかけるくらいの気持ちで、じっくりと吸い取りましょう。掃除機の後、乾いた雑巾で乾拭きするのも効果的です。水拭きは、畳に湿気を与え、カビや虫の発生原因となるため、原則としてNGです。もし、汚れがひどい場合は、固く絞った雑巾で、さっと拭き、その後、必ず乾拭きと換気で、湿気を完全に飛ばしてください。次に、換気です。天気の良い日には、窓を開けて、和室に風を通し、湿気を追い出しましょう。これにより、畳が呼吸し、内部の湿気を放出するのを助けます。そして、年に一度か二度は、畳を上げて、その下の床板を掃除し、畳の裏側を日光に当てる「畳干し」を行うのが理想的です。直射日光は畳表を傷めるため、裏側だけを数時間、日光消毒します。これが難しい場合は、畳の一方の端を持ち上げ、その下に空き缶などを挟んで、数時間、風を通すだけでも、大きな効果があります。また、畳の上に、カーペットや絨毯を敷きっぱなしにするのは、湿気がこもり、虫の天国を作ってしまうため、絶対にやめましょう。もし、すでにシバンムシが発生してしまった場合は、畳に針を刺して薬剤を注入するタイプの殺虫剤や、専門業者による加熱乾燥処理といった、本格的な駆除が必要となります。日々の地道なお手入れこそが、畳を害虫から守る、最高の防御策なのです。