その日の朝、いつものように眠い目をこすりながら洗面所に向かった私は、目の前の光景に一瞬で目が覚めました。洗面台の前の床に、大きな水たまりができていたのです。スリッパがびしょ濡れになり、冷たい感触に思わず声を上げました。一体何が起きたのか分からず、頭の中はパニック状態。とりあえず雑巾で床を拭きましたが、洗面台の下のキャビネットを開けてみると、そこも水浸しで、置いてあった洗剤のボトルが水に浮いていました。どうやら、水漏れの原因はこの奥にあるようです。キャビネットの奥を覗き込むと、床と壁の境目あたりから、じわじわと水が染み出してきていました。蛇口をひねっても、見える範囲のパイプから水が漏れている様子はありません。これは素人が手を出せるレベルではないと直感し、急いでスマートフォンで水道業者を検索しました。数ある業者の中から、口コミが良さそうなところに電話をかけ、状況を説明。一時間ほどで作業員の方が到着し、手際よく点検を始めてくれました。そして、洗面台の下の点検口から床下を覗き込んだ作業員の方から告げられた原因は、「給湯管のピンホール」でした。壁と床の境目あたりを通っている銅製の給湯管に、経年劣化で小さな穴が開き、そこからお湯が漏れ続けていたとのこと。昨夜、私がお風呂に入っている間に、その穴が広がったのかもしれない、と。修理は、床の一部を剥がしての作業となり、半日以上かかりました。費用も決して安くはありませんでしたが、プロの仕事で無事に水漏れが止まった時の安堵感は、何物にも代えがたいものでした。この一件以来、私は定期的にキャビネットの中を確認するようになり、見えない場所で起きるトラブルの恐ろしさを痛感しています。