洗面台の下のキャビネットが少し湿っている、床がきしむ気がする。そんな小さな異変に気づきながらも、「そのうち乾くだろう」「まだ大丈夫だろう」と見て見ぬふりをしていると、後で取り返しのつかない事態を招くことになります。洗面台の床下で起きる水漏れを放置することは、あなたの住まいと健康、そして財産を静かに蝕む時限爆弾を放置しているのと同じことなのです。まず、常に湿った床下は、カビにとって最高の繁殖環境です。目に見えない場所で発生したカビは胞子を放出し、室内の空気を汚染します。それを吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、皮膚炎といった健康被害を引き起こす可能性があります。特に、小さなお子さんや高齢のご家族がいる場合は注意が必要です。次に深刻なのが、建物の構造体へのダメージです。日本の住宅の多くは木造であり、床下の土台や柱は家の骨格そのものです。漏れた水によって木材が常に湿った状態になると、腐朽菌が繁殖し、木材を腐らせていきます。家の強度は著しく低下し、地震などの際に倒壊するリスクが高まります。また、湿った木材はシロアリを呼び寄せる原因にもなります。シロアリ被害が加わると、建物のダメージはさらに深刻化します。さらに、マンションなどの集合住宅では、被害はあなたの部屋だけでは収まりません。漏れ出した水は、コンクリートの床を伝って階下の部屋へと浸透し、天井にシミを作ったり、壁紙を剥がしたり、家財道具を水浸しにしたりする可能性があります。そうなれば、多額の損害賠償責任が発生し、金銭的にも精神的にも大きな負担を強いられることになります。最初は小さな水漏れでも、放置すれば修理費用は何倍にも膨れ上がります。床下の水漏れのサインは、家が発するSOSです。それを決して軽視せず、一刻も早く専門家による対処を行うことが、最悪の結末を避ける唯一の方法です。
洗面台の床下水漏れ放置が招く恐ろしい結末